効率化第一

By Jordan Sargeant
2019年09月 24日

建物の二酸化炭素排出量の削減において、エネルギーの効率化をまず考える必要がある。と弊社サステナビリティディレクターのVincent Briardは述べています。

Vincentは9月23日から29日まで開催された世界グリーンビルディングウィークで講演を行いました。今回のテーマは、住宅・建築物における製造、輸送、建築段階の二酸化炭素排出量の削減に焦点を当て、健全で気候に強い建築環境をつくることの重要性#BuildingLifeを取り上げています。

世界中の二酸化炭素排出量の39%は、住宅・建築物に関連しているといわれ、サステナブルな建築物の議論が高まるにつれ、建築に関連した二酸化炭素排出量の問題が注目されています。

Vincentは次のように述べています。『例えば10年前に建設された建築物では、冷暖房の稼働中に排出される二酸化炭素が75%を占め、建設および建材からの排出量は25%を占めます。』

「建築物の性能を見失ってはならない」

『私たちは、地球規模で住宅・建築物に関連した二酸化炭素排出の削減に取り組む必要性を理解しています。ただし、何よりもまず、エネルギーパフォーマンスに焦点を当て、より回復力の高いビルディングエンベロープをつくりだす必要があります。』

『断熱材や二重窓、そしてより効率的なボイラーの設置することで、建築に係る二酸化炭素が建築物に加わります。寿命の経過や用途、場所によって、住宅・建築物に係る二酸化炭素排出の影響は、建材資材の製造から建築中に発生する二酸化炭素排出量よりはるかに高くなります。』

クナウフ・インシュレーションは、住宅・建築物に関連した二酸化炭素排出に関して深く理解をしており、常に重要な優先事項として取り組んできました。弊社製品のほとんどは、ライフサイクルアセスメントや環境製品宣言が付属しており、環境への影響を透過的に特定しています。

そして、もちろん、我々の製造工程においても、より持続可能な方法を常に模索しています。2010年以降、弊社は企業全体を通して、20%以上のCO2排出量を削減しており、製品の環境への影響の低減にも努めています。

弊社では、ECOSE Technologyを使用し、リサイクルガラスを最大80%に使ったグラスミネラルウールなど、低炭素化された幅広いソリューションをすでに製造しています。また、ロックミネラルウールの製造もECOSE Technologyへの移行を段階的に進めてることで、環境への影響を低減していきます

正しい脱炭素化へ

我々は常に、2050年に向けたカーボンニュートラルな建築環境や改定されたパリ気候協定のコミットメントに関する欧州連合のビジョンに照らし合わせ、欧州政策立案者と協力しながら建物に対するエネルギーの効率化を第一のアプローチとして取り組んでいます。

ワールドグリーンビルディングカウンシルは、2030年までに全ての新しい建築物、インフラストラクチャ、および改修において少なくとも40%の建築物に係る二酸化炭素排出の削減を行うこと、また全ての新しい建築物の二酸化炭素排出をゼロにすることを要求するポジションペーパーを発行しました。そして、2050年までに、新しい建築物、インフラストラクチャーと改修工事において、二酸化炭素排出ゼロを目指し、既存の建物を含むすべてのビルは、運用中の二酸化炭素排出ぜロを目指す必要があります。

『クナウフ・インシュレーションはこの待望のある計画をサポートしていきますが、正しい順序で行う必要がある。』とVincentは述べます。

『まず、最大の二酸化炭素要因である、稼働エネルギーに対して取り組む必要があります。これは、高性能なビルディングエンベロープを通して稼働エネルギーの需要を減らすこと、適切な機械と管理システムを選択すること、そして再生可能エネルギーを使用することです。』

同時に、反復プロセスを通して、建築物の設計段階から建築物に係る二酸化炭素排出を考慮する必要があります。これは環境フットプリントの低い適切な建築ソリューションと製品を使用することです。このような方法を適用することで、サーキュラーエコノミーを推進し、EU委員会の持続可能な建築物評価ツールであるLevel(s)の原則に対応していきます。

 今週は、ワールドグリーンビルディングカウンシルによって開催される年次キャンぺーン、ワールドグリーンビルディングウィークです。気候変動に取り組み、持続可能で繁栄するコミュニティをつくり経済成長を促進する最も効果的な手段の一つとして持続可能な建築物の認識を高めることを目的としています。

今回のテーマは、#BuildingLifeに焦点を当て、すべての人にとってグリーンで、健康的で、気候に強い建築環境をつくる方法を探っていきます。